「応募者対応や面接日程の調整に追われ、採用活動を改善する時間が取れない」
「スカウトを始めたいものの、候補者の選定や配信まで手が回らない」
このような悩みを抱えている場合、採用代行を利用するのも一つの方法です。
採用代行とは、採用活動に必要な業務の一部または全体を、外部の会社に委託するサービスです。
「RPO(Recruitment Process Outsourcing)」とも呼ばれます。
依頼できる業務は、応募者対応や日程調整だけではありません。
採用計画の整理・求人媒体の選定・スカウト配信・説明会の運営・内定者フォロー・採用データの分析など、サービスによって幅広い業務を任せられます。
ただし、採用代行会社であれば、どこに依頼しても同じ結果になるわけではありません。
会社によって、得意な採用領域や対応できる業務・料金体系・支援体制が異なるためです。
本記事では、採用代行を提供する次の5社を比較します。
①株式会社ジーズコンサルティング
②株式会社マイナビ
③株式会社ネオキャリア
④株式会社ONE
⑤株式会社ダイレクトソーシング
採用代行会社を選ぶ際のチェックポイントも紹介しますので、自社に合った依頼先を探す際にぜひご活用ください。
採用代行ではどこまで依頼できる?
採用活動全体を支える幅広い業務
採用代行に依頼できる業務は、大きく「採用の設計」「母集団形成」「選考の運用」「効果検証」に分けられます。
採用の設計
・採用計画の整理
・採用ターゲットの設定
・採用手法や求人媒体の選定
・採用スケジュールの作成
・選考フローの見直し
母集団形成
・求人媒体の運用
・求人原稿の作成や修正
・スカウト対象者の選定
・スカウト文面の作成
・スカウトの配信
・会社説明会や採用イベントの運営
選考の運用
・応募者からの問い合わせ対応
・書類選考の補助
・説明会や面接の予約促進
・面接日程の調整
・選考結果の連絡
・採用管理システムへの情報入力
・内定者への定期連絡
効果検証
・応募数や選考通過率の集計
・求人媒体ごとの効果分析
・スカウトの承認率や返信率の分析
・選考辞退、内定辞退の原因整理
・改善施策の提案
目的に応じて依頼範囲を見極める
実際に依頼できる範囲は、採用代行会社や契約内容によって変わります。
定型的な作業を中心に代行する会社もあれば、採用課題の整理や改善提案まで行う会社もあります。
採用担当者の負担を減らすことが目的なのか、応募数や内定承諾率の改善まで求めるのかによって、選ぶべきサービスは変わってきます。
1.ジーズコンサルティング
採用設計から実務まで柔軟に組み立てられる
株式会社ジーズコンサルティングは、新卒採用と中途採用の両方に対応し、採用コンサルティング・採用代行・採用プロモーション・採用ブランディングを提供しています。
特徴は、決められた業務だけを処理するのではなく、企業ごとの採用課題に合わせて支援内容を組み立てられる点です。
求人媒体の運用や応募者対応・面接日程の調整といった実務だけでなく、採用計画の整理・母集団形成の方法・選考途中の離脱を防ぐ施策なども相談できます。
たとえば、次のような業務を切り出して依頼できます。
■ ナビサイトや求人媒体の運用
■ スカウト対象者の選定と配信
■ 説明会の予約促進
■ 応募者からの問い合わせ対応
■ 面接日程の調整
■ 採用管理システムの更新
■ 選考中の学生や求職者への連絡
■ 内定者フォロー
■ 採用データの集計と改善提案
採用業務のすべてを委託するだけでなく、「スカウト配信だけ」「応募者対応が集中する時期だけ」といった依頼にも対応できる点が強みです。
中堅・中小企業にも合わせやすい伴走型支援
採用担当者の代わりに作業するだけではなく、企業の人事部の一員に近い立場で採用活動に取り組む伴走型の支援を掲げています。
採用担当者が少ない企業では、業務を代行してもらうだけでは課題を解決できないことがあります。
「どの媒体を使えばよいか分からない」「選考辞退が発生しているが原因を分析できていない」といった場合には、採用活動全体を一緒に整理してくれる会社が向いています。
新卒採用では、ナビサイト・スカウト・説明会・面接・内定者フォローなど、複数の施策が同時に動きます。
採用市場や学生の動きに合わせ、施策を調整しながら運用できることもポイントです。
料金は依頼内容に応じた個別設計です。
向いている企業
・採用担当者が少なく、幅広い業務を相談したい
・新卒採用の運用をまとめて支援してほしい
・必要な業務だけを切り出して依頼したい
・作業代行だけでなく、採用活動の改善提案も受けたい
・自社の状況に合わせて支援内容を調整してほしい
2.マイナビ
採用領域を横断して相談できる総合力
株式会社マイナビは、新卒採用・中途採用・アルバイト採用など、さまざまな採用領域でサービスを展開しています。
採用アウトソーシングでは、応募の受け付け・応募者への連絡・面接日程の調整・採用管理システムの運用など、採用担当者に負担がかかりやすい業務を依頼できます。
特徴は、採用媒体や人材紹介を含む複数の採用サービスを展開している点です。
採用代行だけを単独で検討するのではなく、求人媒体の選定や応募者獲得の方法も含めて相談したい企業に適しています。
採用人数が多い場合や、複数の職種・拠点を同時に募集する場合にも、検討しやすい選択肢です。
利用前に確認したい支援範囲と条件
一方、どの業務をどこまで依頼できるかは、対象となる採用区分や契約内容によって異なります。
利用を検討する際は、マイナビの求人媒体を使わない場合にも対応できるのか、ほかの媒体や採用管理システムを扱えるのかを確認しておきましょう。
料金は、個別の問い合わせが必要です。
向いている企業
・採用媒体の活用も含めて相談したい
・複数の職種や拠点で採用を行っている
・新卒、中途、アルバイトの採用を横断して支援してほしい
・応募者対応や日程調整などの運用負担を減らしたい
3.ネオキャリア
幅広い採用業務をまとめて支援
株式会社ネオキャリアの採用代行は、新卒・中途・アルバイトなど、幅広い採用区分に対応しています。
応募者の受け付け・スクリーニング・日程調整・合否連絡・スカウト配信など、採用業務の一部からまとめて依頼できることが特徴です。
採用活動の規模や課題に合わせて運用体制を設計する形式となっています。
応募者数が多い企業では、連絡の遅れが選考辞退につながることがあります。
一定量の応募者対応を継続的に処理できる体制は、大量採用や複数拠点での採用を行う企業にとって利用する利点があります。
依頼内容を整理して見積もりを確認する
また、複数の採用支援サービスを展開しているため、単純な作業代行に限らず、採用手法を含めた相談が可能です。
料金は、業務内容に応じた個別見積もりです。
向いている企業
・応募者数や採用人数が多い
・複数の雇用形態で採用している
・採用業務を一定の規模で委託したい
・応募者対応の速度や処理体制を整えたい
4.ONE
採用実務と採用広報をまとめて相談できる
株式会社ONEは、採用代行のほか、求人広告・人材紹介・採用サイト制作・Webマーケティングなど、採用に関する複数のサービスを提供しています。
採用代行では、求人広告の選定・応募者管理・面接日程の調整・内定者フォローなど、採用活動の各工程を依頼できます。
採用サイトやパンフレットなどの制作にも対応しているため、採用実務と同時に採用広報を見直したい企業にも適しています。
求人情報の見せ方まで改善しやすい
「応募者への連絡を代行してほしい」という依頼だけでなく、「求人情報の見せ方から改善したい」「採用サイトと求人媒体の内容をそろえたい」といった課題も相談しやすい会社です。
料金は、対象となる採用区分や業務内容に応じて設計されます。
向いている企業
・採用代行と求人広告をまとめて相談したい
・採用サイトやパンフレットも見直したい
・新卒からアルバイトまで複数の採用を行っている
・採用広報と選考運用を一貫させたい
5.ダイレクトソーシング
スカウト採用の設計・運用に強みを持つ
株式会社ダイレクトソーシングは、企業から候補者へ直接アプローチするダイレクトリクルーティングの支援を得意としています。
支援内容は、採用ターゲットの設計・スカウト媒体の選定・候補者の抽出・スカウト文面の作成・配信・返信後の対応・データ分析などです。
採用業務全般の包括的な委託よりも、スカウト採用の設計と運用を強化したい企業に向いています。
特に、エンジニアや専門職・管理職など、求人広告への応募を待つだけでは出会いにくい人材を採用したい場合に検討しやすいサービスです。
データを見ながら改善したい企業に向いている
LinkedInをはじめ、複数のダイレクト採用サービスに関する支援を行っている点も特徴です。
配信件数だけでなく、候補者の選び方や返信率などのデータを見ながら改善を進めたい企業と相性があります。
新卒向けサービスでは、様々な月額プランが用意されています。
向いている企業
・ダイレクトリクルーティングを強化したい
・スカウトの返信率が上がらない
・エンジニアや専門職を採用したい
・複数のスカウト媒体を活用したい
・採用データに基づいて運用を改善したい
採用代行会社を選ぶ5つのポイント
1.最初に自社の採用課題を整理する
採用代行会社を探す前に、「何に困っているのか」を具体的にします。
応募数が足りない場合と、応募はあるものの面接設定につながらない場合では、必要な支援が異なります。
工数不足と採用成果の課題も分けて考えましょう。
2.依頼する業務と社内に残す業務を分ける
応募者対応や日程調整は外部に任せやすい一方、採用基準の決定や最終面接・入社後の働き方の説明などは、社内が中心になったほうがよい場合があります。
「すべてお任せ」とせず、誰が何を担当するのかを契約前に決めておくことが大切です。
3.得意な採用領域を確認する
採用代行会社には、新卒採用に強い会社・大量採用に対応しやすい会社・スカウト採用に特化した会社などがあります。
過去の支援企業名だけで判断せず、自社と近い採用人数・職種・地域・採用区分での支援経験を確認してください。
4.料金に含まれる業務を比べる
月額料金が安く見えても、配信数や対応件数に上限が設けられていることがあります。
追加料金が発生する条件も会社ごとに異なります。
見積もりでは、次の項目をそろえて比較すると違いが分かりやすくなります。
■ 初期費用
■ 月額費用
■ 最低契約期間
■ 対応件数や配信数
■ 追加料金の条件
■ 定例会やレポートの有無
■ 改善提案が料金に含まれるか
5.連絡方法と改善体制を確認する
採用代行は、契約した時点で成果が決まるサービスではありません。
運用開始後の情報共有と改善が欠かせません。
専任担当者の有無・連絡できる時間帯・定例会の頻度・緊急時の対応方法を確認しましょう。
応募者への返信期限などを決めておくと、連絡の遅れも防ぎやすくなります。
導入後は費用だけでなく採用指標を確認する
作業削減だけでなく採用成果を確認する
採用代行を導入した後は、「担当者の作業時間が減ったか」だけでなく、採用活動の各段階が改善したかを確認します。
主に確認したい指標は次のとおりです。
■ 応募数
■ 有効応募数
■ スカウトの返信率、承認率
■ 説明会や面接の予約率
■ 予約後の参加率
■ 選考通過率
■ 選考辞退率
■ 内定承諾率
■採用決定までの日数
■ 採用1人当たりの費用
■ 社内の採用業務時間
数値が伸びない原因を広く見直す
数値が改善しない場合は、代行会社の対応だけを原因と考えるのではなく、採用ターゲット・求人内容・選考スピード・面接での情報提供なども含めて見直します。
【まとめ】
採用代行は、人事担当者の業務負担を軽減し、採用活動を立て直すための有力な選択肢です。
ただし、知名度や料金だけで依頼先を決めると、必要な支援を受けられない場合があります。
まずは、自社の採用課題と依頼したい業務を整理してください。
そのうえで、得意領域・対応範囲・担当体制・料金に含まれる内容を同じ条件で比較することが、会社選びの第一歩です。
採用業務を幅広く相談しながら、自社に合わせて支援内容を組み立てたい場合は、ジーズコンサルティングのような伴走型の採用支援会社が候補になります。
一方、大量採用やスカウト採用など、課題が明確な場合は、その分野に強い会社を選ぶ方法もあります。
最初からすべての業務を委託する必要はありません。
負担が大きい業務や、社内だけでは改善が難しい工程から相談し、効果を確認しながら依頼範囲を調整していくと導入しやすくなります。




