2027卒以降の新卒採用は、
・インターンやオープン・カンパニーの低学年化・長期化
・オンライン/対面を組み合わせたハイブリッド型
・「企業名」よりも「仕事・テーマ」で探す学生の増加
といった変化が一気に進んでいます。
その中で、人事として悩ましいのが、「マイナビとリクナビ、結局どちらにどれだけ投資するのが良いのか?」という点ではないでしょうか。
本記事では、マイナビ2027とリクナビ2027の違いについて、長年人事をされている方向けに、
・仕様やコンセプトの違い
・料金・運用スタイルの違い
・登録学生の傾向の違い
・どんな会社にどちらが向きそうか
という切り口で整理していきます。
両社に共通する役割
まずは共通点からおさらいしておきます。
- 新卒採用における日本最大級のナビサイトであること
- 企業情報・仕事情報・インターン/オープン・カンパニー情報を掲載
- エントリー・説明会予約・メッセージ配信など、採用フローの入口機能を持っている
- 学生向けの就活講座・イベント・ノウハウコンテンツも豊富
つまり、どちらも「学生との最初の接点を作り、情報を届けるための“基盤”」であることは変わりません。
違うのは、 「どういう思想でその基盤を設計しているか」 です。
リクナビ2027の特徴 ― 全学年×コース単位×クリック課金
1.2027卒以降は「全学年対象サービス」に
リクルートの公式リリースより、リクナビ2027からは以下のように変更されることがわかっています。
- 2027年卒以降の全学年を対象にした新しいサイト
- 1年生から登録できる「全学年対象サービス」
これにより、
- 1〜2年生:オープン・カンパニーや仕事研究コンテンツ
- 3〜4年生:インターン、本選考
といった接点を同じ基盤の中で設計できるようになります。
2.「企業単位」から「仕事・コース単位」の掲載へ
仕様変更のもう1つの柱が、企業ページ中心 →「仕事/職種にひもづくコース単位」で掲載という構造変化です。
「総合職一括採用」だけではなく、営業コース、技術コース、企画コース…といった仕事単位での打ち出しが前提になります。
学生側も、「どんな企業か?」より、「どんな仕事か?」から探すという行動を取りやすくなる設計です。
3.料金体系の基本が「クリック課金(CPC)型」に
リクナビ2027では、料金体系の基本がクリック課金(CPC)型に変更されます。
- 従来:期間で枠を買う「掲載課金型」が中心
- 2027以降:求人がクリックされるたびに費用が発生する成果連動型が基本
となるイメージです。
このため、
- 不要になったコースは停止する
- 優先したい職種に予算を寄せる
など、広告運用的な発想で予算配分やON/OFFを調整しやすくなる一方、
- タイトルや求人内容が弱いと、クリックされずに埋もれる
- クリックされても、内容が薄いとエントリーにつながらずコスパが悪化する
といったリスクもあります。
4.レコメンド&自己理解機能の強化
変更点として、
- レコメンドフィード(学生の行動・志向に応じた求人表示)
- ガクチカAIアシスタントなど、自己理解支援機能
といったマッチング・自己理解機能の強化も挙げられています。
企業側から見ると、
- コース設計と原稿の質によって、自社と親和性の高い学生に表示されやすくなる
- 「闇雲に露出を増やす」のではなく、質の高い接点づくりを目指す媒体
としての色合いが強くなった、と捉えられます。
マイナビ2027の特徴 ― 企業ページ+インターン&キャリアの厚み
1.インターンシップ&キャリアの区分と低学年検索
マイナビ2027では、「インターンシップ&キャリア」領域が
- オープン・カンパニー&キャリア教育等
- インターンシップ&仕事体験(実務体験あり)
- それ以外のプログラム
といった形で整理されています。
そのうえで、検索条件として
- 「低学年(大学1、2年生など)」
- 「2027年卒以上(大学3年生・修士1年生など)」
といった募集対象の絞り込みが用意されており、
低学年向けプログラムも同じ検索画面から探せる設計です。
2.企業ページでしっかり「語り込める」構造
マイナビの特徴として、企業が自由に記載できる項目が比較的多い点や、企業ストーリー・理念・先輩紹介などを分量多めに載せやすいという点が挙げられます。
そのため「自社の歴史・文化・働き方などを丁寧に説明したい」また「写真・動画・インタビューなどを組み合わせて“らしさ”を伝えたい」といった企業にとっては、マイナビ2027は使いやすい器と言えるでしょう。
3.料金は「掲載課金型パッケージ」が基本
マイナビ2027の本サイト掲載料金は、掲載課金型のパッケージ料金が基本となり、以下3プランの構成となっています。
- バリュープラン:80万円
- 基本パッケージ:160万円
- プレミアパッケージ:295万円(いずれも1シーズン・税別)
また、マイナビ2027では「インターンシップ&キャリアサイト向けのプラン」と「3月以降の本サイト向けプラン」というように、インターンサイトと本サイトで料金体系が分かれている点も、従来どおり引き継がれています。
登録学生の傾向 ― 直近データから見える違い
いくつかの比較レポート(25卒・26卒向けなど)を総合すると、ざっくり次のような傾向が報告されています。
- 文系・理系ともに、登録学生数そのものはマイナビが多い傾向
- 専攻別では「機械・電気系」がマイナビにやや多い、「情報工学系・生物系」がリクナビにやや多い
年度や調査により多少ブレはありますが、両社に重複登録している学生も多いため、絶対値というよりも“傾向”として捉えることが現実的です。
とはいえ、「機電系中心で採りたいのか」や「情報系・バイオ系を厚く取りたいのか」といった専攻によって、どちらを主軸に置くかの判断材料にはなり得ます。
5つの観点で見る「マイナビ2027 vs リクナビ2027」
ここまでを踏まえて、よく使う比較軸で整理してみます。
1.サービスコンセプト
| 観点 | マイナビ2027 | リクナビ2027 |
| 基本イメージ | 企業ページ+インターン&キャリア情報が厚い総合ナビ | 全学年対象×仕事・コース単位×クリック課金の“新仕様ナビ” |
| 注力ポイント | インターン・仕事体験・キャリア教育の整理と情報量 | 仕事・コース別のマッチングとレコメンド強化 |
2.掲載構造
マイナビ2027
- 従来どおり「企業ページ」を中心とした構造
- そのうえでインターン情報・募集コースを紐づけるスタイル
リクナビ2027
- 「企業単位」から「仕事/職種にひもづくコース単位」へシフト
- 仕事の中身で比較される前提で、職種・コースの言語化が必須
3.料金・運用スタイル
| 観点 | マイナビ2027 | リクナビ2027 |
| 基本イメージ | 企業ページ+インターン&キャリア情報が厚い総合ナビ | 全学年対象×仕事・コース単位×クリック課金の“新仕様ナビ” |
| 注力ポイント | インターン・仕事体験・キャリア教育の整理と情報量 | 仕事・コース別のマッチングとレコメンド強化 |
マイナビは予算を決めて安定運用しやすい一方、
リクナビはクリック〜エントリー〜選考の数値を追いながらチューニングしたい企業向きと言えます。
4.低学年・インターン対応
マイナビ2027
- 「インターンシップ&キャリア」画面で「低学年」「2027卒以上」などの募集対象が明示されており、低学年向けのキャリアプログラムも検索しやすい
リクナビ2027
- サイト自体が「全学年対象サービス」へリニューアル
- 1年生から4年生まで、同じ基盤上で情報発信できる
どちらも低学年対応を強めていますが、「インターン種別やキャリア教育プログラムを整理して見せたい」ならマイナビ寄り、「全学年を同じベースで長期的に囲い込みたい」ならリクナビ寄りと、思想の違いがあります。
5.社内体制との相性
マイナビが合いやすいケース
- 採用人数:少〜中規模
- 運用リソースに大きな余裕はない
- 企業ページでしっかり「会社のストーリー」を伝えたい
- まずは安定的に母集団を形成したい
リクナビが合いやすいケース
- 職種別・コース別に採用戦略を分けたい
- クリック数・コンバージョン・歩留まりを見ながら運用型でPDCAを回していくのが得意
- 低学年からのタレントプール形成にも力を入れたい
実務での使い方イメージ ― 3つのパターン
最後に、「じゃあどう使うの?」というところを、ざっくり3パターンでイメージしてみます。
パターンA:マイナビ2027を“土台”にする
①まずはマイナビ2027で企業ページを作り込み
②インターン/仕事体験/オープン・カンパニーを整理して掲載
③イベント・説明会を軸に母集団形成
という形で、「認知〜インターン〜本選考」までの導線を1本通すイメージです。
パターンB:リクナビ2027を“攻めの職種別チャネル”として使う
①職種・コースごとに求人・原稿を分けて設計
②クリック数・エントリー率をモニタリング
③タイトル・内容・画像を改善しながら運用
という形で、「特定職種の採用を強化する媒体」として位置づけるパターンです。
パターンC:マイナビ+リクナビの“役割分担での併用”
採用人数が一定規模あり、かつ人事体制に余力がある会社では、
- マイナビ2027:企業認知+インターン&キャリアの土台
- リクナビ2027:職種別・ターゲット別の攻めのチャネル
という役割分担も現実的です。
「全員にマイナビで広く知ってもらい、特定職種はリクナビでコース別に深掘りする」のように整理すると、予算配分やKPI設計もしやすくなります。
「どちらが良いか」より「自社でどう位置づけるか」
改めて、ポイントだけ並べると──
①【マイナビ2027】
・企業ページとインターン&キャリア情報の厚みが特徴
・掲載課金型パッケージで計画を立てやすい
・低学年向けキャリアプログラムも含めて、インターン領域を整理しやすい
②【リクナビ2027】
・全学年対象サービス+仕事・コース単位掲載+クリック課金
・運用型発想で職種別に攻めたい企業向け
・レコメンド・自己理解機能を通じて、「仕事の中身」でマッチングを図る設計
③登録学生数・専攻の傾向も違いがあるが、年度ごとの最新データ確認は必須
④「どちらが良いか?」ではなく「自社の採用戦略の中で、どちらをどう位置づけるか?」を本質として捉えることが重要