「できるだけ早く、経験のある人を採用したい!」そんな声をよく聞くのが、少人数で業務を回している中小企業の採用現場です。
そんなときに頼れるのが「採用代行」や「人材紹介」のサービスです。
今回は、それぞれのサービスの違いやメリット・デメリット、そして「どう使い分ければいいの?」という疑問に丁寧にお答えしていきます。
採用代行と人材紹介ってどう違うの?
まずは、「採用代行(RPO)」と「人材紹介」の基本的な違いから見ていきましょう。
採用代行(RPO)とは?
採用代行とは、企業が行う採用業務の一部または全部を、外部の専門業者が代わりに行うサービスのことです。
英語では「Recruitment Process Outsourcing(RPO)」と呼ばれます。
例えば、こんな業務を代行してくれます:
・求人票の作成や掲載
・応募者対応(メール・電話)
・面接日程の調整
・スカウトメールの送信
・書類選考の一次対応 など
つまり、候補者の母集団を集めるところから、面接前の調整業務までを担ってくれるのが採用代行です。
■ポイント:採用業務の「手間」を減らすのが得意。
人材紹介とは?
一方の人材紹介は、転職エージェントなどが、企業の求人条件に合う人材を探して紹介してくれるサービスです。
企業は人材紹介会社に「こんな人が欲しい」と伝え、紹介会社は自社の登録者の中からマッチしそうな人をピックアップしてくれます。
■ポイント:条件にマッチした「即戦力」をピンポイントで紹介してくれるのが強み。
両者の役割の違いをざっくりまとめると?
| 項目 | 採用代行 | 人材紹介 |
| 主な目的 | 採用業務の代行 | 人材の紹介・推薦 |
| 業務内容 | 母集団形成、応募対応、日程調整など | 条件に合った人材を探して紹介 |
| コスト形態 | 月額・業務委託型 | 成果報酬型(採用時に支払い) |
| 向いている場面 | 応募数が少ない、業務が回らない時 | 即戦力が今すぐ欲しい時 |
中小企業が直面しやすい「即戦力採用」の課題とは?
「いますぐ現場に入ってもらえる人が欲しい!」これは中小企業でよく聞く採用ニーズですが、実際にはいくつかの課題があります。
( 1 )母集団がそもそも集まらない
求人広告を出しても、そもそも応募がこない…。
特にITエンジニアや営業職などは、人気職種でも競争が激しく、なかなか人が集まりません。
( 2 )書類選考や面接対応の時間がない
少人数の人事チーム、もしくは兼務の方が多い中小企業では、応募者対応をしている時間すら確保できないケースも。
( 3 )ミスマッチが起きやすい
急いで採用した結果、入社後に「思っていた業務と違った」と退職されてしまうことも。
中途採用ではとくに、経験やスキルの見極めが重要です。
「採用代行」が向いている場面
採用代行は、こんなときにおすすめです。
1. 採用活動に手が回らないとき
・応募者対応に追われて、本来の業務に支障が出ている
・採用業務をひとりで担っている
・求人媒体の運用経験がなく、どこに出せばいいか分からない
・こんなとき、採用代行を利用すれば「現場の負担」をグッと減らすことができます。
2.母集団形成に力を入れたいとき
・求人広告を出しても反応がない
・スカウトメールを送る余裕がない
・より多くの候補者の中から選びたい
採用代行では、媒体の選定やスカウトメールの設計なども行ってくれる場合があります。
「まずはたくさんの候補者にアプローチしたい」というときに効果的です。
「人材紹介」が向いている場面
では、どんなときに人材紹介を使うのがよいのでしょうか?
1. 即戦力がすぐに必要なとき
・経理経験3年以上の人が来月には必要
・営業部門のプレイヤーを今すぐ増やしたい
・管理職クラスを採用したい
こうした場合は、人材紹介のスピードと精度が頼りになります。
すでに転職活動中の人材の中からマッチ度の高い人を紹介してもらえるため、選考までのスピードも早くなります。
2. 求める人物像がはっきりしているとき
「このスキルを持っていて、業界経験もある人」など、要件が明確なときほど、紹介会社との連携が取りやすくなります。
採用代行 × 人材紹介の「使い分け」が成功のカギ
ここまでで、採用代行と人材紹介の違いをご紹介してきました。
では、どちらか一方を使えばいいのでしょうか?
実は、「組み合わせて使う」ことが最も効果的です。なぜなら、並行して使うことで、スピードと質を両立できるからです。
・母集団形成の強化
・即戦力候補のピンポイント集客
このどちらも叶えることができます。
採用活動の入口を広げつつ、質の高い候補者にもリーチする。これが、短期間で成果を出すための鉄則です。
どんなスケジュールで進めればいい?
例えば、次のようなスケジュールで進めると効果的です。
【0週目】求人要件の明確化
・求める人材のスキル・経験を洗い出す
・どのポジションに、何人、いつまでに必要かを明確にする
【1〜2週目】採用代行スタート+人材紹介依頼
・採用代行に媒体選定やスカウトを依頼
・同時に人材紹介会社に求人を展開
【3週目〜】応募対応・面接開始
・採用代行が応募者対応と面接調整を担当
・自社は面接と見極めに集中
【5〜6週目】内定・フォロー
・必要に応じた、定着支援のフォローアップ
・内定者との条件交渉や入社フォロー
費用感の違いも押さえておこう
「どっちの方がコストがかかるの?」と気になる方も多いと思います。
採用代行の費用相場
・月額10万〜50万円程度(業務範囲により変動)
・「何人採れるか」は保証されない
人材紹介の費用相場
・採用した人の年収の30〜35%が相場
・採用が決まらなければ費用はかからない(成功報酬型)
コストを比較するポイント
・長期的に採用体制を整えるなら採用代行
・1名だけでも早く採りたいなら人材紹介
目的と緊急度に応じて、コストのかけ方を検討しましょう。
よくある失敗例と対策
最後に、よくある「採用支援サービスの使い方の失敗例」と、その対策をご紹介します。
失敗例①:丸投げしてしまう
→対策:要件や期待する人物像はしっかり伝える
外部に依頼するときも、自社の採用目的や求める人物像をきちんと伝えることが重要です。
「誰でもいい」は、結局誰も採れない原因になります。
失敗例②:複数の紹介会社に出しすぎて対応が追いつかない
→対策:2〜3社に絞り、関係構築を大事にする
人材紹介会社も「この企業なら紹介しよう」と思ってもらえるような関係づくりが必要です。
“早く、良い人を採る”ためにできること
「短期で即戦力を採りたい」とき、中小企業にとって採用のリソース不足は大きな壁になります。
そんなときに、採用代行と人材紹介をうまく使い分けることが、大きな力になります。
・採用代行は「業務の手間を減らす・母集団形成」
・人材紹介は「ピンポイントで即戦力を採用」
この2つをバランスよく活用し、スピードと質を両立させた採用活動を目指しましょう。