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歩留まりの悪化はフォロー不足?27卒学生に響く“内定後フォロー”施策5選

歩留まりの悪化はフォロー不足?27卒学生に響く“内定後フォロー”施策5選

近年、就職活動の早期化に伴い、内定出し時期も早まっています。
そこで問題になっているのが”内定辞退学生の増加”です。
学生の『迷い』が生じる就職活動後半戦にどんなフォローを行うかによって、これからの明暗が分かれます。
本記事では、そんな課題を解決する内定後フォロー施策を5つご紹介いたします。

2027年卒の新卒採用が本格化する中、多くの企業が採用活動の“後半戦”に課題を感じています。とくに顕著なのが、内定辞退の増加です。

「内定承諾後の辞退が例年より多い」
「歩留まりが読めず、内定出しの数がコントロールできない」
「選考中は好感触だった学生に突然辞退される」

こうした声は、業種・規模問わず広がりを見せています。
内定辞退の増加にはいくつかの背景があります。

・ 就活開始の早期化・複線化により、学生の選択肢が広がった
・ インターン経由での内定が増え、比較対象が明確になっている
・ SNSやクチコミサイトなど、情報源の多様化によって「ミスマッチ」への警戒心が強くなっている
・ 企業のフォロー体制が追いつかず、学生の不安が解消されないまま辞退に至る


これらの背景を踏まえると、単に内定者を“囲い込む”という姿勢ではなく、「学生の意思決定を後押しする支援」という視点が求められていることがわかります。
その実現のためには、企業内だけで対応するには限界があり、採用代行(RPO)の活用が再注目されています。

RPO(Recruitment Process Outsourcing)の基本

採用代行、いわゆるRPO(Recruitment Process Outsourcing)とは、
企業の採用業務の一部またはすべてを外部の専門業者が請け負うサービスです。
中途採用の分野では以前から広く利用されてきましたが、
ここ数年で新卒採用へのRPO導入が本格的に進み始めています。
業務委託の対象となる主な領域は以下のとおりです。

・ エントリー受付・管理
・ スカウトメールの作成と送信
・ 候補者との連絡(日程調整・リマインド)
・ 面接設定と運営
・  データ管理・レポーティング
・ 内定者フォロー(メール・電話・イベント企画)
・ 採用広報コンテンツの作成

つまり、採用活動に関わる実務全体を“部分的”または“包括的”に支援することが可能です。

RPOが新卒領域でも活用され始めた背景には、企業側の構造的な課題が存在します。

① 採用業務の煩雑化

・ エントリーは多数あるが、質の見極めや対応が追いつかない
・ ダイレクトリクルーティングやSNS発信など、新たな業務が増加
・ 各学生への個別対応に時間をかけづらい

② 採用チームのリソース不足

・ 専任人事がいない、または他業務と兼任しているケースが増加
・ ハイシーズンに業務が集中し、内定後のケアまで手が回らない

③ 内定辞退による採用計画の乱れ

・ 歩留まりの予測が難しく、内定出しの調整が困難
・ 採用単価の上昇、充足遅れによる業務インパクトが拡大

このような状況下で、RPOの活用により「現場業務の軽減」「学生対応の質向上」「辞退防止への施策実行」を可能にする動きが広がっています。

「歩留まり」とは、採用活動の各プロセスで、どれだけの候補者が次のステップに進んだかを示す指標です。

・ エントリー → 説明会参加
・ 説明会参加 → エントリーシート提出
・ 書類選考 → 一次面接
・ 最終面接 → 内定
・ 内定 → 入社承諾

このうち、特に影響が大きいのが**「内定 → 入社承諾」の部分、つまり内定辞退**です。
なぜなら、最終フェーズに近いほど候補者1人あたりの投資時間・コストが高くなるため、
内定辞退が発生すると、計画への影響が大きくなるからです。
また、内定辞退には予兆が見えづらく、採用担当者が“気づいた時には手遅れ”というケースも珍しくありません。

内定辞退の背景には、学生の“就職に対する迷いや不安”が強く関係しています。
以下は、辞退理由としてよく見られるものです。

よくある内定辞退理由

1.他社の条件・イメージの方が良かった
2.企業カルチャーとの違和感がぬぐえなかった
3.入社後の業務イメージが曖昧なままだった
4.親や友人など、第三者の意見に影響された
5.連絡が少なく、自分は“重要視されていない”と感じた

これらの理由の多くに共通するのが、**「不安」や「納得感の不足」**です。
学生にとって内定承諾は、人生初の“重要な決断”。
にもかかわらず、企業側からのフォローが少なかったり、意思決定を支える材料が足りないと、
「やっぱり不安…」「もう少し他を見たい」という気持ちが強まり、辞退につながってしまいます。

ここからは、実際に現場で効果が高いとされる「内定後フォロー施策」を5つ紹介します。
RPOと連携することで効率的に運用できる点にも注目しながら、各施策を解説します。

①若手社員との継続的な座談会・交流機会の提供

目的:業務理解の促進・安心感の醸成

選考中は接点がなかった社員と交流することで、「入社後のリアルな姿」をイメージしやすくなります。

・ 内定者1~3名に対し、20代社員2~3名が参加する少人数形式
・ オンライン・対面を併用し、定期的に実施
・ 業務や失敗談など“リアル”な話を意図的に取り入れる

交流会の調整や運営はRPOに委託し、人事は参加者として関与するスタイルもおすすめです。

内定者専用のSNSグループ運営(LINE, Slackなど)

目的:孤独感の解消・企業とのつながりの維持

内定後に学生が感じやすいのが「このまま放置されるのでは…」という不安。
その解消には、双方向コミュニケーションが可能なSNSグループが効果的です。

・ 内定者による自己紹介投稿の促進
・ 人事からの定期的なコラム投稿(働き方、企業の最新ニュースなど)
・ 月1回のライトなテーマトーク(趣味・休日の過ごし方 など)

SNS運用に不慣れな場合は、RPOに管理とモデレーションを依頼することで負担を軽減できます。

③ 手紙やギフトによる“感情的つながり”の構築

目的:企業への親近感・信頼感を強化する

デジタル中心の採用活動において、アナログな接点は「特別なもの」として記憶に残ります。

・ 内定通知後に、個別のメッセージカードを郵送
・ 社員からの応援メッセージを小冊子にまとめて送る
・ オリジナルグッズ(文房具・ノート・タンブラーなど)を同封

これらの準備・発送もRPOに依頼可能で、内容設計を人事が監修するスタイルが主流です。

④ 短期インターンやアルバイト機会の提供

目的:企業理解の深化・不安の軽減

 「実際の業務に触れてみないと不安」という声に応える形で、内定者向けの就業体験を設ける企業が増えています。

・ 入社予定部署での業務体験(1日~数日)
・ チームプロジェクトへの短期参加(実務 or ケーススタディ)
・ 社内イベントへの招待・参加

学生への案内やスケジュール調整は、RPOが窓口として対応することで、スムーズな運用が可能です。

⑤ 定期的な1on1フォロー(電話・オンライン面談)

目的:学生ごとの不安や期待に個別対応

「実は不安に思っていることがあるけど、誰にも言えていない」
こうした“サイレント辞退予備軍”を防ぐためには、定期的な1on1対応が欠かせません。

・ 内定承諾後、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月のタイミングで連絡
・ 現状や気持ちを丁寧にヒアリング
・ 悩みに応じて具体的な情報や相談先を案内

時間的に対応が難しい場合でも、RPOを活用して学生対応の一次窓口を任せることで、カバーが可能です。

採用活動における「質」と「量」を両立させるのは、年々難しくなっています。
とくに内定後のフェーズでは、“定着”を意識した対応が求められるため、業務量も心理的な負担も増加しがちです。

その課題を解決するために、RPOを戦略的に活用する企業が増えています。

・ 実務対応のアウトソーシングによって、人事が本来担うべき「関係性構築」に集中できる
・ フォロー業務の自動化・定型化により、安定的に学生との接点を維持できる
・ 学生の反応データをもとに、タイムリーな改善施策が打てる

RPOは単なる“人手不足の穴埋め”ではなく、**「内定者と継続的な関係を築き、入社まで導くための戦略的パートナー」**としての役割を担う存在となっています。

まとめ:内定は“ゴール”ではなく、“スタート”である
内定を出した瞬間から、学生にとって「迷い」のフェーズが始まります。
その迷いをどう支え、どう信頼に変えていくか。
その鍵となるのが、『タイミングを逃さない“内定後フォロー”』と、『学生の気持ちに寄り添った“仕組みづくり”』です。
RPOをうまく活用することで、採用活動はより効率的に、かつ丁寧に進めることができます。
企業にとっても、学生にとっても“幸せな入社”を実現するために、今こそ採用のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。