
「求人を出しても応募が少ない…」「スカウトも反応が薄い…」
採用活動でよく聞くのが“母集団形成”の悩みです。
特に中小企業や知名度の低い企業では、採用のスタート地点とも言える「母集団」を集める段階でつまずくケースが多いのではないでしょうか。
そんな時、検討したい手法のひとつが「リアルイベント(対面型の採用イベント)」です。
今回は、リアルイベントの基本やメリット・デメリット、活用ポイントについて解説していきます
母集団形成に役立つ「リアルイベント」
そもそも「母集団形成」って何?
母集団形成とは、「採用候補となる応募者を集めること」です。
たとえば、10人採用したいと思ったとき、いきなり10人に内定を出せるわけではありませんよね。
まずは数十人、場合によっては100人以上の応募者がいて、その中から書類選考や面接を経て、最終的に内定者が決まっていきます。
つまり、しっかりとした母集団をつくることが、良い人材を採用するための土台となるのです。
なぜ母集団形成に苦戦するの?
ここ数年で、採用活動の環境は大きく変わりました。
特に中途採用では、求職者が転職エージェントやスカウトサイトを活用するケースが増え、企業側が「待ちの姿勢」では母集団が集まりづらくなっています。
また、新卒採用においても、学生がナビサイト以外にもSNSやYouTubeなどから情報を得て動くようになり、企業の露出が限られていると認知すらしてもらえないというケースも。
このような状況では、「自社を知ってもらう場」「直接話せる場」を持つことが非常に大切になります。
そこで注目したい「リアルイベント」
リアルイベントとは、実際に会場で開催される対面型の説明会や合同企業説明会、キャリアセミナー、会社見学会などのことを指します。
最近ではオンラインイベントも一般的になりましたが、あえて“リアル”で開催することで得られる効果もたくさんあるのです。
リアルイベントのメリット
① 直接会って印象を残せる
リアルイベントの最大の魅力は、「会って話せること」。
企業の雰囲気や社風は、言葉だけではなかなか伝わりませんが、担当者の話し方や笑顔、空気感などで、応募者は直感的に「この会社、いいかも」と感じてくれることがあります。
特に、他社と比較される合同説明会などでは、自社の魅力を“リアルな温度感”で伝えることができます。
② 求職者の本音を拾いやすい
リアルイベントでは、アンケートや会話の中から求職者のリアルな反応をつかみやすくなります。
「どうしてこの業界に興味を持ったの?」「うちの説明、わかりやすかった?」など、ちょっとした質問で得られるヒントが山ほどあります。
これが今後の採用活動の改善にもつながります。
③ 他の採用手法と組み合わせやすい
リアルイベントで接点を持った方に、後日スカウトメールを送ったり、説明会に誘導したりすることも可能です。
つまり、出会いのきっかけとしてリアルイベントを活用することで、その後のアプローチが格段にしやすくなるのです。
リアルイベントのデメリットも知っておこう
どんな施策にも良い面・気をつけたい面があります。リアルイベントにもいくつか注意点があります。
① コストがかかる
会場費やブース装飾、人件費など、オンラインに比べて費用は高めになります。
また、遠方のイベントに参加する場合は交通費や宿泊費も必要です。
② 担当者の“人柄”が問われる
リアルイベントでは、ブースに立つ担当者の対応が会社の印象を大きく左右します。
「笑顔がなかった」「説明が曖昧だった」という理由で、せっかくの接点が無駄になってしまうことも。
逆に言えば、感じの良い担当者がいれば、それだけで企業イメージがアップします。
社内で人選や事前トレーニングをしっかり行いましょう。
③ 参加者数が読みにくい
イベントによっては「人が少なかった」「ターゲット層がずれていた」というケースもあります。
イベント選びは慎重に、主催者の実績や過去の参加企業の声などを確認すると安心です。
リアルイベントを成功させるポイント
リアルイベントをうまく活用するためには、事前準備と事後対応がカギになります。
① 目的とターゲットを明確にする
ナビサイトでは数千社以上の企業情報が並びます。
学生に「どこも同じに見える」と思われがちですが「どんな人に来てほしいのか」「どんな情報を伝えたいのか」を明確にしておくことで、ブースの構成や資料、話す内容がぶれません。
たとえば、「未経験OKの営業職を採用したい」のであれば、「チャレンジ精神」「人と話すのが好き」などの価値観に響くようなアプローチを意識しましょう。
② 資料やブースの準備を丁寧に
「どの会社も似たような資料ばかりだった」と言われがちな合同説明会。
ちょっとした工夫で、自社の魅力がグッと伝わります。
たとえば、実際の社員インタビューを載せたり、「1日の流れ」を図解にしたりすると、リアルなイメージを持ってもらえます。
ブースも明るく清潔に保ち、入りやすい雰囲気を作ることが大切です。
③ イベント後のフォローが命
イベントで出会った方には、必ずお礼メールやフォローの連絡を入れましょう。
リアルで会ったからこそ、その後のやり取りがスムーズになります。
ここで温度感が下がらないように、できるだけ早く、丁寧な対応を心がけてください 。
リアルイベントは「攻め」の母集団形成にぴったり
「待っていても応募がこない…」という企業こそ、リアルイベントはおすすめです。
オンラインにはない“空気感”を伝えることで、応募者に深く印象づけることができ、採用につながる確率も上がります。
もちろん、費用や手間もかかりますが、それ以上に「リアルな出会い」がもたらす効果は大きいです。
・母集団形成とは、採用活動の土台づくり
・リアルイベントは、企業と応募者が直接つながる貴重な場
・印象に残りやすく、応募意欲を高めやすい
・コストや人選には注意が必要
・準備とフォローで、成果が大きく変わる!
リアルイベントは、採用活動における“攻めの一手”として、非常に効果的な手法です。
ぜひ一度、自社の採用戦略の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?