
採用活動は、企業の未来を左右する大切な仕事。
でも、「すべて自分たちでやるべき?」「採用代行を使った方がいい?」と迷うことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、自社採用(=内製)と採用代行(=外注)それぞれのコストや工数を比較しながら、どちらを選ぶべきかを一緒に考えてみましょう。
そもそも「内製」と「外注」ってどう違うの?
まずは一緒に用語を確認していきましょう。
採用活動には大きく分けて、自社で完結させる「内製」と、一部または全部を外部の業者に任せる「外注(採用代行)」の2つの方法があります。
• 内製(自社採用):人事部が中心となり、求人原稿の作成から応募者対応、面接の設定までをすべて社内で行う。
• 外注(採用代行):求人媒体への掲載、スカウトメールの送信、応募者とのやり取りなどを外部の専門会社に任せる。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、目的や社内体制に合わせて選ぶことが大切です。
内製のメリット・デメリット
【メリット】企業文化や採用基準を直接伝えられる
自社で採用を行う最大の利点は、自社の価値観やカルチャーをダイレクトに候補者に伝えられることです。
応募者とのやり取りを通じて、企業の雰囲気や職場のリアルな情報を届けることができ、ミスマッチの防止にもつながります。
【デメリット】とにかく“手間”と“時間”がかかる
一方で、内製は人事担当者の負担が大きくなりがちです。
求人媒体への出稿、スカウト、応募対応、面接日程の調整など、すべてを限られた人員でこなす必要があり、本来注力すべき業務(例:面接や社内調整)に手が回らなくなるケースも。
外注(採用代行)のメリット・デメリット
【メリット】採用業務を効率化できる
採用代行の最大の魅力は、業務の効率化です。
スカウトや候補者とのメール対応、書類選考の一次対応などを外注することで、人事担当者は面接や戦略立案など“本質的な業務”に集中できます。
また、採用のプロが対応するため、応募者の見極めや媒体の選定も的確。経験やノウハウを活かして、成果につながる採用活動が可能になります。
【デメリット】コストがかかる、社内理解が必要
採用代行は当然ながらコストが発生します。
また、外部に業務を任せることへの社内の理解が得られにくい場合もあるため、事前の説明や調整が必要になるケースも。
【比較 1 】コスト面の違い
では、実際にどれくらいのコスト差があるのでしょうか?
項目 | 自社採用(内製) | 採用代行(外注) |
求人掲載費用 | 〇 | 〇(同様) |
工数コスト(人件費) | △(自社工数が多い) | ◎(代行により削減) |
採用成功までのスピード | △ | ◎ |
代行手数料 | ×(なし) | △(数十万~百万円単位) |
※採用代行の費用感は、依頼する業務範囲や会社によって大きく異なります。
たとえば、新卒採用でスカウトや応募者対応などを部分的に外注した場合、月額10万円〜30万円程度が相場。中途採用であれば、成果報酬型で1名あたり40〜80万円前後ということもあります。
【比較 2 】工数の違い
次に、実際の工数を比べてみましょう。
◆自社採用(内製)の工数例(中途採用・1人採用の場合)
・求人原稿作成:3時間
・媒体選定・出稿:2時間
・スカウト送信:10時間(1日200通×5日など)
・応募者対応(メール・電話):5時間
・書類選考:3時間
・面接調整・連絡:4時間
→ 合計:約27時間
◆採用代行を使った場合
・初期打ち合わせ:1〜2時間
・定期進捗確認:月1〜2時間
→ 合計:約3〜4時間
※面接や最終判断は自社推奨
こうして見ると、業務時間が約80〜90%削減できるケースもあり、人事が他業務と並行して採用を進める際には大きなメリットです。
結局どっちがいいの?判断ポイントはココ!
ここまでの情報をふまえて、「内製と外注、どちらがいいのか?」を判断するポイントを整理してみましょう。
(1)採用人数とスピード感
→「急ぎで数名採用したい」「人手が足りない」なら外注がおすすめ。
(2)社内のリソース
→「人事担当が少ない」「他の業務も兼務している」なら部分的な外注を検討。
(3)コストを抑えたい
→「費用を最小限にしたい」「工数が確保できる」なら内製でじっくりと。
(4)ミスマッチを防ぎたい
→「文化に合う人材を選びたい」「面接前からしっかり見極めたい」なら内製+外注のハイブリッド型もあり。
採用は“全部自分でやらなきゃ”じゃない!
採用活動は、確かに手間も時間もかかります。でも、「すべて自分たちでやらなければ」と思い込む必要はありません。
大切なのは、“本当に注力すべき業務”に時間を使える状態をつくること。
採用代行を上手に活用すれば、業務の負担を減らしながら、より質の高い採用が実現できます。
まずは「どこに時間がかかっているのか」「社内で本当に必要な工程は何か」を整理してみてくださいね。
そして、自社のフェーズや採用目標に合った方法を選んでいきましょう。