
新卒採用において、自社に合った学生を引きつけるためには、採用サイトのコンテンツが重要な役割を果たします。ただし、どの企業にも当てはまる「正解」があるわけではありません。どのような人材を採用したいのか(採用ターゲット)によって、発信すべき情報や伝え方が変わってくるからです。
本記事では、採用ターゲットを明確にし、それに応じたコンテンツ戦略の考え方を解説します。
採用ターゲットを明確にする重要性
まず、「どんな学生に応募してほしいのか?」を明確にすることが大切です。新卒採用では、広く多くの学生にアプローチすることも重要ですが、企業の文化や求める人物像に合わない学生が集まりすぎると、ミスマッチによる早期離職や内定辞退の増加につながる可能性が高まります。
採用ターゲットを決める際のポイントは、以下の3つです。
1. 必要なスキル・適性は何か?
例)コミュニケーション力、論理的思考力、主体性、チームワーク力など
2. どのような価値観を持つ人が社風に合うか?
例)挑戦を楽しめる人、安定志向の人、チームで動くのが好きな人など
3. ターゲットとなる学生が求めている情報は何か?
例)仕事のやりがい、社風、キャリアパス、働き方、福利厚生など
このようなターゲット設定をした上で、次にそれに合ったコンテンツを考えていきます。
ターゲット別 採用サイトのコンテンツ戦略
採用サイトは、単なる情報提供の場ではなく、ターゲット学生に「ここで働きたい」と思わせるためのツールです。ターゲット別にどのようなコンテンツが効果的か、具体的に見ていきましょう。
1. 成長意欲の高い学生向けコンテンツ
◆ キャリアアップや挑戦できる環境をアピール
「入社後、どのように成長できるのか?」を具体的に伝えることが重要です。
有効なコンテンツ例
• 先輩社員の成長ストーリー(入社1年目→3年目→5年目の変化)
• キャリアパスの明確化(〇年目でリーダー昇進実績あり、海外研修あり など)
• 成長支援制度の紹介(社内研修、資格取得支援、メンター制度など)
◆ チャレンジングな仕事のリアルを見せる
挑戦を求める学生には、実際にどのような課題に取り組めるのかを伝えると効果的です。
有効なコンテンツ例
• 若手社員のプロジェクト事例紹介
• 「成長できる環境」と「そのためのサポート体制」の両方を見せる
2. 安定志向の学生向けコンテンツ
◆ 長く働ける環境や安心感をアピール
「この会社なら安心して働ける」と思ってもらうための情報を充実させることがポイントです。
有効なコンテンツ例
• 福利厚生・ワークライフバランスの紹介(育休取得率、残業時間、在宅勤務制度 など)
• 社員インタビュー(長く働く理由)(10年以上働く社員のインタビューなど)
• 経営の安定性を伝える(業績推移、社会的な役割 など)
◆ 「居心地の良さ」が伝わるコンテンツを用意
安定志向の学生は、企業文化や職場の雰囲気を重視する傾向があります。
有効なコンテンツ例
• 社内イベント・交流の様子を紹介(社員旅行、部活動、社内イベントなど)
• 職場の雰囲気が伝わる動画(社員同士のやりとりやオフィスの様子)
3. 専門スキルを活かしたい学生向けコンテンツ
◆ スキルを活かせる環境をアピール
専門職(エンジニア、デザイナー、研究職など)を志望する学生には、「自分のスキルを活かせる職場か?」という問いが重要な判断基準になります。
有効なコンテンツ例
• 実際の業務内容や技術領域を詳しく紹介
• 技術者向けブログ・社内勉強会の様子を公開
• 専門スキルを活かしたプロジェクト事例を紹介
◆ 「どんな仲間と働くのか?」が伝わる情報を提供
同じ専門分野の社員の声を届けると、より共感を得やすくなります。
有効なコンテンツ例
• 先輩社員のインタビュー(技術のこだわり・働き方)
• 一緒に働くチームメンバーを紹介
採用サイトのコンテンツを最大限活用する方法
コンテンツを作成しただけでは、学生に見てもらえません。採用サイトを有効に活用するためのポイントを紹介します。
1. SNS・スカウトサービスと連携する
採用サイトへの流入を増やすために、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用するのも効果的です。また、スカウト型採用サービスと連携し、ターゲット学生に適切な情報を届けるのも良い方法です。
2. 動画コンテンツを活用する
テキストだけでなく、動画を活用することで、職場の雰囲気や社員の人柄が伝わりやすくなります。社員インタビューや1日の業務の流れを動画にして公開するのも効果的です。
3. スマホ対応を最適化する
企業のSNSや紹介動画などについては、PCよりもスマートフォンでチェックする学生が多いです。多くのPVを集めるためにも、採用コンテンツはスマホでも見やすいデザインにすることが大切だといえます。
採用サイトは、単なる企業紹介ではなく、「どんな学生に来てほしいのか?」を意識して設計することが重要です。ターゲットに合わせた情報を発信することで、マッチ度の高い応募者を増やし、採用成功につなげることができます。ぜひ、自社の採用ターゲットに合ったコンテンツを考えてみてください。