
新卒採用の面接官は、企業の第一印象を決める重要な役割を担っています。学生にとって、面接官は「会社の顔」ともいえる存在。面接の進め方や質問の仕方ひとつで、応募者の志望度が大きく変わることもあります。
しかし、新卒採用の面接官を初めて担当する場合、「どんな質問をすればいいのか」「学生のどこを見ればいいのか」と不安を感じることもあるでしょう。
そこで今回は、新卒採用面接官が知っておくべきポイントや、採用成功の秘訣についてわかりやすく解説します。
面接官の役割とは?
面接官の役割は、単に応募者のスキルや適性を見極めるだけではありません。企業の魅力を伝え、学生の不安を取り除きながら、会社にマッチする人材を見つけることが重要です。。
1. 学生の適性やポテンシャルを見極める
新卒採用では、即戦力よりも「将来の成長性」や「企業文化との相性」が重視されます。そのため、「この学生は自社の環境で成長できるか?」という視点を持って面接を行いましょう。
2. 企業の魅力を伝える
面接は企業が学生を評価する場であると同時に、学生が企業を見極める場でもあります。学生に「この会社で働きたい!」と思ってもらえるように、事業内容や社風、働く魅力をしっかり伝えましょう。
3. 学生の不安を解消する
学生は就職活動を通じてさまざまな不安を抱えています。「どんな人が働いているのか」「仕事のやりがいは?」「入社後のキャリアパスは?」など、学生が気になるポイントを丁寧に説明し、安心感を与えましょう。
新卒採用面接の流れとポイント
面接は、学生の能力や適性を見極める場ですが、一方的な質問攻めではなく、双方向のコミュニケーションを意識することが大切です。
1. 面接の基本的な流れ
(1)アイスブレイク(雑談・自己紹介)
・緊張している学生の気持ちをほぐすために、軽い雑談を交えましょう。
例:「今日はどのように来ましたか?」「就職活動の調子はどうですか?」
(2)企業・面接官の紹介
・企業の概要や自分の役職・業務内容を簡単に説明し、親しみやすさを出しましょう。
(3)応募者への質問
・学生の自己紹介や志望動機、これまでの経験について質問し、深掘りしていきます。
(4)逆質問タイム
・学生が企業に対して疑問を持っていないか確認し、しっかり答えましょう。
(5)面接の締めくくり
・今後の選考の流れを説明し、面接を終了します。
2. 質問する際に見るべきポイント例
・「あなたが大学生活で一番力を入れたことは何ですか?」
→ 具体的なエピソードを引き出し、学生の価値観や行動特性を見極めましょう。
・「当社を志望した理由を教えてください。」
→ 企業研究の深さや、どのような点に魅力を感じているのかを確認しましょう。
・「あなたの強み・弱みを教えてください。」
→ 自己分析ができているか、また弱みをどのように克服しようとしているかを見ましょう。
3. 面接官が気をつけるべきポイント
(1)学生を萎縮させない話し方を意識する
面接官が威圧的だったり、冷たい態度だったりすると、学生は緊張して本来の力を発揮できません。適度な笑顔や相づちを交えながら、リラックスした雰囲気を作りましょう。
(2)偏見や先入観を持たず、公平な評価をする
「〇〇大学の学生だから優秀だろう」「体育会系だから根性がありそう」など、固定観念で判断しないよう注意しましょう。学生一人ひとりの個性や経験をしっかり見極めることが大切です。
(3)学生の話を最後まで聞く
面接官が一方的に話すのではなく、学生の話をしっかり聞く姿勢が大切です。途中で話を遮らず、相手が何を伝えたいのかを理解することを心がけましょう。
採用成功のためのポイント
1. 採用基準を明確にする
「どんな人材を求めているのか?」を採用チーム内で共有し、評価基準を統一しましょう。評価ポイントが曖昧だと、面接官ごとに判断基準が異なり、採用の精度が下がってしまいます。
2. 内定後のフォローをしっかり行う
内定を出して終わりではなく、学生が安心して入社を決められるよう、フォローを続けましょう。定期的な連絡や内定者懇親会の実施など、入社までの不安を取り除く工夫が必要です。
3. 面接後の振り返りを行う
面接官同士でフィードバックを共有し、「どのような質問が有効だったか」「どんな学生が魅力的だったか」などを話し合いましょう。次回の面接に活かすことで、より精度の高い採用が可能になります。
新卒採用の面接は、企業と学生の双方にとって大切な機会です。面接官としての役割を理解し、学生に寄り添った対応をすることで、良い人材を採用できる可能性が高まります。
「面接はお互いを知る場」という意識を持ち、学生が自分らしく話せる雰囲気を作ることが大切です。企業の魅力をしっかり伝えながら、成長の可能性を秘めた学生と出会い、採用を成功させましょう!