2026年卒(以下、26卒)の新卒採用が一段落し、全国の企業では「今年の採用活動はどうだったのか?」と振り返る時期に入りました。
早期化が進む一方で、学生の動きも変化し、「内定辞退が多かった」「母集団が集まらなかった」など、課題を感じた採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、26卒採用の全体的な動向や内定率の傾向、企業側の採用課題、そして27卒以降に向けた改善ポイントについて、わかりやすくまとめてご紹介します。
これからの採用戦略を見直すヒントとして、ぜひご活用ください。
26卒採用の全体動向を振り返る
1.採用市場は引き続き“売り手市場”
26卒も、前年に引き続き「売り手市場」が続きました。学生一人あたりの平均エントリー社数はやや減少傾向にあるものの、学生の複数内定保有率は高まっているため依然として学生側が優位な状況が続いています。
また、企業の採用意欲も高く、特に中小企業や地方企業の採用活動が早期化・多様化している傾向が見られました。
2. 早期選考と通年採用の拡大
26卒では、インターンシップやオープンカンパニーからの早期選考がスタンダードになりつつあります。夏の段階で「内々定」を出す企業も増え、秋には就職活動を終える学生が多くなりました。
その一方で、通年採用の枠組みを取り入れる企業も増え、柔軟な採用スタイルが浸透してきた年でもありました。
3.学生の価値観にも変化が
26卒の学生は「働き方」や「将来の安定」に対する関心が高く、企業選びでは職場環境や福利厚生、リモートワーク制度の有無などを重視する傾向が見られました。
また、「やりがい」や「社会貢献性」を軸にする学生も多く、企業側も自社の魅力を“言語化”し、学生に伝える工夫が求められました。
内定率と採用成功率の実態
1.内定率は前年並みだが、辞退率は上昇
内定率については、26卒も25卒と同程度で、大学4年生の6月時点で約75%の学生が内定を取得していたというデータがあります。
しかし、企業にとっての悩みは「辞退率の高さ」です。
特に内定出しの早い企業ほど、学生の動向を読み違えるリスクがあり、結果として最終的な入社承諾率が大きくブレた企業も多かったようです。
2.採用成功のカギは“接点の質”
単に内定を出すだけでなく、「いかに学生との関係性を深められるか」が重要です。
26卒では、1対1の面談や社員との座談会など、“個別フォロー”の手厚さが内定承諾率に大きく影響していました。
企業側の採用課題とは?
1.母集団形成が難化している
多くの企業で「母集団が思うように集まらなかった」という声が挙がっています。
特に、知名度の低い企業や地方の中小企業は、学生の認知を得るのに苦戦しました。
これは大手ナビサイト以外に、SNSや逆求人サイトなど情報の流通経路が多様化していることも背景にあります。
2. 競合との差別化が困難に
企業数が多い中で、自社の魅力を他社と差別化することも大きな課題でした。
学生からは「どの企業も似たように見える」という声も多く、採用担当者は「どう魅力を伝えるか」で悩む場面が増えました。
3. 採用担当者の工数が限界に
採用活動の長期化・複雑化により、採用担当者の負担も増加しています。
メール・電話対応、学生への個別連絡、説明会や面接の調整、広報戦略……
これらを少人数で回す企業が多く、業務がパンク気味という声も少なくありません。
今後に向けた改善ポイントと対策
1.採用広報の見直しを図ろう
まず取り組みたいのが、採用広報の見直しです。
企業の理念や社風を「言葉」「画像」「社員の声」などで表現し、学生が共感・納得できる情報発信を目指しましょう。
具体的には、以下のような取り組みが効果的です。
●採用サイトのリニューアル
●SNS(X、Instagramなど)を活用した発信
●社員インタビュー動画の制作
●社長メッセージの配信
2. 早期接点と関係構築がカギ
26卒の流れから見ても、26卒の採用成功企業は「早期からの接点づくり」が鍵となっていました。
27卒に向けては、インターンシップやオープンカンパニーの設計をより戦略的に進めることが重要です。
特に、ただ説明するだけでなく、「体験型」や「社員と話せる形式」が人気です。
3. スカウト活用でターゲット接触を強化
ナビ媒体への掲載だけでなく、ダイレクトリクルーティング(逆求人型)の活用も有効です。
スカウトサービスを活用することで、母集団の質と量の両面を補完でき、ターゲット人材にピンポイントで接触することが可能です。
4. 採用代行(RPO)の活用も検討を
業務が逼迫している場合は、採用代行(RPO)サービスの活用も選択肢のひとつです。
スカウト送信や候補者対応、説明会運営などの一部業務を外注することで、担当者の負担軽減と採用の質の両立が図れます。
今後の採用戦略で意識したい3つの視点
1. 学生目線の体験設計を
採用活動は企業が“選ぶ”だけでなく、“選ばれる”ための活動です。
だからこそ、学生目線で「どんな体験を提供できるか?」を考えることが重要です。
エントリーから選考、内定後のフォローまで、学生が「ここに入りたい」と思える体験設計を行いましょう。
2. データに基づいた振り返りと改善
感覚だけに頼らず、データを活用した採用活動の振り返りを行うことで、次年度の改善に活かすことができます。
●どのチャネルが効果的だったか?
●辞退が多かった時期・原因は?
●選考途中の離脱率は?
これらのデータを分析し、PDCAサイクルを意識することが成功の鍵となります。
3. 採用は“チーム戦”で
採用活動は人事部門だけでなく、現場社員や経営陣の協力が不可欠です。
特に若手社員が協力してくれることで、学生への“共感力”や“リアルな声”が伝わりやすくなります。
社内で「採用は全社のミッション」という意識を共有することが、今後の採用力強化につながります。
【今回のポイントまとめ】
26卒採用は、引き続き“売り手市場”の中で、早期化・多様化が進んだ年となりました。
企業にとっては、母集団形成・辞退率対策・広報力の強化など、
さまざまな課題が浮き彫りになったのではないでしょうか。
これからの採用活動では、「早期接点の設計」「共感を生む情報発信」「データを活用した振り返り」など、より戦略的で丁寧な取り組みが求められます。
そして何より、採用担当者一人で抱え込まず、社内や外部の力をうまく活用することも大切です。次年度の27卒採用に向けて、今からできることを一歩ずつ始めていきましょう。