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【27卒へ向けて】 新卒採用の歩留まり率を各フェーズで可視化する方法と改善ポイント

【27卒へ向けて】 新卒採用の歩留まり率を各フェーズで可視化する方法と改善ポイント

新卒採用は毎年のように実施されるものですが、その運用や成果には年ごとに差が出やすいです。特に、「どのフェーズでどれだけの候補者が離脱しているのか」を把握できていないと、採用計画の見直しが難しくなってしまいます。
今回は、新卒採用の歩留まり率を可視化する方法と、各フェーズでの改善ポイントについて、実務に活かしやすい形で整理してご紹介します。

「歩留まり率」は、ある選考ステップに進んだ応募者のうち、次のステップに進んだ割合を表す指標です。

例えば、下記のような選考フローがあった場合
• エントリー:500名
• 会社説明会参加:300名(→歩留まり率60%)
• 一次面接通過:150名(→50%)
• 最終面接通過(内定):30名(→20%)

このように各段階の歩留まり率を把握しておくことで、どこに離脱ポイントがあるかを客観的に確認することができます。

まずは、自社の新卒採用プロセスをフェーズごとに整理しましょう。以下は一般的な流れです。

1.エントリー(ナビサイトや自社採用ページなど)
2.会社説明会
3.エントリーシート提出
4.一次面接
5.二次面接(またはGD)
6.最終面接
7.内定出し
8.内定承諾

各フェーズの応募者数・通過者数を表やExcelで一覧化し、数字を追える状態にすることが可視化の第一歩です。

歩留まり率の計算は非常にシンプルです。


歩留まり率(%)=次のフェーズに進んだ人数÷現在のフェーズの人数 で算出できます。

(例)
• 説明会参加者:300名
• ES提出者:200名

この場合の歩留まり率は 200÷300×100=約66.7% となります。

この計算をすべてのフェーズで行えば、離脱ポイントがはっきりと見えてきます。

表やグラフを使って、歩留まり率の変化を視覚的に整理しましょう。以下のような形式がおすすめです。

歩留まり率の例(簡易表)

フェーズ人数歩留まり率
エントリー500
説明会参加30060%
ES提出20066.7%
一次面接通過12060%
最終面接通過3025%
内定承諾2066.7%

このように、どのフェーズで離脱が発生しているのかを定量的に把握することが、改善に向けた第一ステップです。

ここからは、歩留まり率が低下しやすいフェーズごとに、よくある課題と改善のヒントを紹介します。

(1)説明会の参加率が伸びない
▼課題の傾向
• 開催日程が学生に合っていない
• 内容が形式的で印象に残りにくい
• 告知が埋もれている

▼改善ポイント
• 土曜開催や夕方以降の実施を増やす
• 動画説明会を併用して参加ハードルを下げる
• 若手社員や現場社員のリアルな話を入れる

(2)エントリーシートの提出率が低い
▼課題の傾向
• 提出方法や案内が分かりづらい
• フォーマットが複雑、または記入量が多い
• モチベーションが下がっている

▼改善ポイント
• ES提出の導線をナビサイトに合わせてわかりやすくする
• 提出期限に余裕を持たせる
• 記入例やサンプルを共有する

(3)面接通過率が極端に低い
▼課題の傾向
• 面接官の評価軸がバラバラ
• 採用基準が不明確
• 企業側と応募者の期待値が合っていない

▼改善ポイント
• 面接官の評価基準を共有・統一する
• 評価シートを使って判断軸を明確にする
• 応募前に業務内容やカルチャーをしっかり伝える

(4)内定出し後の承諾率が低い
▼課題の傾向
• 内定後のフォローが弱い
• 他社の方がスピードや条件面で優れている
• 将来像やキャリアの説明が不足している

▼改善ポイント
• 内定者向けに定期的な接点を設ける(懇親会や面談)
• できるだけ早めのオファー提示を意識する
• 教育制度やキャリア支援の具体的な情報を提供する

歩留まり率の可視化は、採用活動の結果を数値で把握するうえでとても有効です。
毎年データを残していけば、次年度以降の採用計画立案にも活用できますし、「どこにリソースを集中すべきか」が明確になります。
また、現場への報告資料や経営陣への説明にも使いやすく、採用活動の透明性や説得力も増します。

ー まとめ ー
• 歩留まり率は、採用の進捗と課題を把握するための基本指標
• 採用フローをフェーズに分けて、各段階の人数と通過率を記録する
• グラフや表で可視化することで、課題箇所が一目でわかる
• 歩留まりが低いフェーズには、それぞれ原因と改善策がある
• 継続的な振り返りと改善が、採用の質を高めるポイントになる

データに基づいて選考フローを見直すことで、採用の精度は確実に上がります。まずはできるところから歩留まり率を記録し、改善に向けてアクションを起こしていきましょう。