
企業の人手不足がますます深刻になる中で、「採用代行(RPO)」というサービスが注目を集めています。
最近では、大手企業からスタートアップ企業まで幅広く導入が進み、市場もどんどん拡大中。
この記事では、採用代行(RPO)の基本から最新の市場動向、今後の展望までを、わかりやすくご紹介します。
採用代行(RPO)ってなに?基本をおさらい
まずは「採用代行(RPO)」とは何か、簡単に整理しておきましょう。
RPOとは「Recruitment Process Outsourcing」の略
RPOとは、「Recruitment Process Outsourcing(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)」の略で、企業の採用業務を外部の専門会社が代行するサービスのことを指します。
具体的には、以下のような業務を任せることができます。
・求人媒体の選定・掲載
・スカウトメールの配信
・候補者との日程調整や連絡対応
・面接の設定や合否連絡
・採用進捗の管理 など
「採用を丸ごと任せる」というイメージもありますが、企業ごとに必要な部分だけ依頼することも可能です。
なぜ今、採用代行(RPO)が注目されているの?
採用代行が注目されている背景には、人事部の業務量増加と採用難という2つの大きな課題があります。
1. 人事の仕事が多すぎる!
人事部は、採用だけでなく労務管理・教育・制度設計など、やることが山積みです。
中でも採用は、「応募者対応」「スカウト」「面接設定」など、手間と時間がかかる業務が多く、現場では悲鳴が上がっています。
「一人で全部こなすのはムリ!」という声が多く、外部のプロに頼る動きが加速しています。
2. 優秀な人材がとにかく採れない
少子化や売り手市場の影響もあり、企業間の採用競争が激化しています。
特にエンジニアやマーケターなどの専門職は、なかなか応募が集まらず苦戦している企業が多いです。
そこで登場するのがRPO。採用のプロがノウハウとリソースを活かして、採用成功率を上げてくれるため、企業にとっては心強い味方なのです。
採用代行市場はどうなっている?データで見る成長ぶり
では、実際にRPO市場がどれくらい伸びているのか、少しデータも交えてご紹介します。
市場規模は年々拡大中
2023年の国内RPO市場規模は、およそ1,000億円を突破したとも言われています。
コロナ禍を経てリモート採用やIT人材の争奪が進み、「自社だけで採用するのは限界がある」と感じる企業が急増したことが要因のひとつです。
特に以下のような業界でRPOの利用が増えています
・IT・Web業界(エンジニア採用)
・医療・介護業界(慢性的な人手不足)
・建設・製造業(職人・現場系の採用)
また、中小企業やベンチャー企業の利用も急増中。
「まだ採用担当がいない」「1人しかいない」という組織で、部分的なアウトソースが浸透し始めています。
どんな業務を任せられる?RPOサービスの中身
RPOとひと口にいっても、実際のサービス内容はかなり幅広いです。
ここでは代表的な業務内容をご紹介します。
スカウト・ターゲットリスト作成
最近では、待っているだけでは応募が来ない時代。
ダイレクトリクルーティングが主流になりつつありますが、スカウト文の作成やターゲットの選定も代行可能です。
「この人に会いたい!」と思える人材にアプローチしてくれるので、質の高い母集団形成が期待できます。
候補者対応(メール・電話)
応募者への連絡、日程調整、面接のリマインドなど、細かい業務もサポート。
対応の遅れが辞退につながることもあるため、スピード感のある対応は採用成功に直結します。
採用進捗管理・見える化
複数のポジションや媒体を使っていると、採用状況の把握が難しくなります。
RPOでは、進捗状況をレポートで見える化し、次のアクションを提案してくれることもあります。
RPOを導入するメリット・デメリット
「実際に導入する場合、どんなメリット・デメリットがあるの?」という疑問にもお答えします。
メリット
・採用のスピードアップ
→リードタイムが短くなり、優秀人材を早期に確保しやすい
・コア業務に集中できる
→人事は戦略立案や面接などの「中身」に集中できる
・ノウハウの蓄積
→採用のプロのやり方を社内にインストールできる
デメリット
・コミュニケーションの手間
→外部パートナーとの密な連携が必要
・コストがかかる
→月額費用や成果報酬が発生するため、予算管理が重要
・自社文化とのギャップ
→外部の人が応募者対応をすることで、企業文化とのズレが起きることも
今後のトレンドは?RPOの未来
最後に、今後の採用代行(RPO)のトレンドについても触れておきましょう。
テクノロジーの活用が進む
今後は、AIやチャットボット、ATS(採用管理システム)との連携が進み、さらに効率化されると予測されます。
「人の手でやるべき部分」と「自動化できる部分」をうまく切り分け、よりスマートな採用活動が主流になっていくでしょう。
採用活動は、最初の準備や原稿の準備も大切ですが、そこからいかに改善を重ねていけるかが問われます。ぜひ今回の記事を参考に、自社のナビページ運用・コンテンツ内容・分析体制を見直すきっかけにしていただければ幸いです。