
採用活動で大きな課題の一つといえる「内定辞退」。採用担当者として、内定を出したはずなのに辞退されると、「どうして?」と悩むことも少なくありませんよね。特に人事の方にとっては、「何をどう改善すればいいのかわからない」と感じる場面も多いでしょう。
この記事では、内定辞退を防ぐためのフォローアップ術について、わかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
そもそも、なぜ内定辞退は起きるの?
内定辞退が発生する理由はさまざまですが、大きく分けて以下のような原因があります。今回は主な理由を3つご紹介します。
1. 他社の内定を優先した
学生や求職者が複数の企業から内定をもらい、最終的に他社を選ぶケースです。待遇や仕事内容、勤務地などが比較されやすいです。
2. 会社のイメージにギャップを感じた
面接や説明会で受けた印象と、実際の仕事内容や職場の雰囲気が異なると感じた場合に辞退されることがあります。
3. フォロー不足で不安になった
内定後、企業側からの連絡が少ないと、候補者は「本当に自分を必要としているのだろうか」と不安を感じることがあります。
人事として理解しておきたいポイント
内定辞退をゼロにすることは難しいですが、原因をしっかりと把握して適切な対策を講じれば、辞退率を大幅に下げることができます。次の章から具体的なフォローアップ術を見ていきましょう!
内定通知後すぐにやるべきこと
1. スピーディーな内定通知を心がける
内定通知はスピードが命です。他社よりも早く通知することで、候補者に「この会社は自分を本当に評価してくれている」と感じてもらえます。可能であれば、面接終了後1週間以内に通知を出しましょう。
2. 個別感を出した連絡
内定通知の際に、候補者一人ひとりに合わせたコメントを加えると効果的です。例えば、以下のような一言を添えると好印象です。
• 「〇〇さんのプレゼン力に感銘を受けました。一緒に働けるのを楽しみにしています!」
• 「〇〇さんの強みである分析力が、弊社の〇〇プロジェクトで活かせると思います。」
このように具体的なフィードバックを伝えると、候補者に「自分をよく見てくれている」と感じてもらえます。
フォローアップは「定期的に」が鉄則!
1. 内定後のフォローアップスケジュールを作成
内定を出した後、候補者と企業が疎遠になることが内定辞退の大きな原因です。フォローアップのためのスケジュールをあらかじめ立てておきましょう。例えば、以下のようなスケジュールを組むと効果的です。
• 内定後1週間以内: 初回フォロー(電話やメール)
• 1か月後: 職場見学や座談会の案内
• 2か月後以降: 定期的な連絡(2~3週間に1回)
2. 候補者に「自分ごと感」を持たせる
内定者に企業に対する「自分ごと感」を持ってもらうために、具体的な関わり方を提案するのがおすすめです。
• プロジェクトの紹介や業務の概要説明
• 内定者研修やチームビルディングイベントへの招待
• 若手社員との交流会を開催
内定者に「入社後のイメージ」を具体的に描いてもらうことが、辞退防止につながります。
コミュニケーションツールを工夫しよう
1. SNSやチャットツールを活用
若い世代はメールよりもSNSやチャットツールを好む傾向があります。LINEやSlackなど、候補者が親しみやすいツールを活用して、気軽にコミュニケーションを取れる環境を作りましょう。
2. 定期的な動画メッセージ
会社の様子や社員の声を伝える動画メッセージは、候補者との距離を縮める効果があります。例えば、こんな内容の動画を送ると良いでしょう。
• 代表や担当者からのメッセージ
• 社員インタビューや職場ツアー動画
• 内定者だけに向けた特別メッセージ
候補者は「この会社で働くイメージ」を持ちやすくなります。
入社前研修でモチベーションを高める
1. 内定者研修を企画する
入社前研修を実施することで、候補者のモチベーションを高めることができます。
・チームワークを学ぶワークショップ
・会社の歴史や理念を共有するセッション
・実際の業務を体験するミニプロジェクト
これにより、候補者は「自分がこの会社の一員になりつつある」という実感を得られます。
2. 内定者同士の交流を促進
内定者同士が仲良くなると、「同期ができたから辞退しづらい」といった心理的な効果が期待できます。オンラインでもオフラインでも構わないので、内定者同士の交流イベントを積極的に企画しましょう。
候補者の本音を引き出す方法
1. 定期的なヒアリング
フォローアップの際、候補者の不安や悩みを聞くことも重要です。
質問例としては以下があります。
・「入社にあたって不安に思っていることはありますか?」
・「会社や仕事内容について、さらに知りたいことはありますか?」
ヒアリングを通じて、不安を解消するサポートを行いましょう。
2. 家族の意向も大切に
特に新卒採用では、家族の意見が内定辞退に影響することがあります。必要に応じて、家族向けの説明会やイベントを開催すると効果的です。
内定辞退を防ぐためには、候補者との信頼関係を築き、入社までの期間中も丁寧なフォローアップを行うことが大切です。特に人事1年目の方は、「早めに」「個別対応を意識して」「継続的に」アプローチすることを心がけてみてください。
今回ご紹介した方法を実践すれば、候補者に「この会社で働きたい」と思ってもらえる確率が格段に高まります。地道な努力が成果に結びつく瞬間を、ぜひ体験してくださいね!