27卒採用から、リクナビが大幅なリニューアルを行うことが発表されました。この変化によって、採用活動における新たな手法が広がる一方で、対応が求められるポイントもあります。本記事では、新しいリクナビの主な変更点を解説し、メリットや注意点をご紹介します。
全学年対象のサービスへ
これまで他媒体と同様に大学3年生以上を主な対象としてきたリクナビが、1年生から既卒者まで利用可能になります。学生が早期からキャリアを考える機会を得ると同時に、企業にとっても早期接点を持ちやすい環境になるといえます。
コース単位での情報提供
企業単位での情報提供が主だったこれまでの仕様が、「コース単位」での情報掲載へと変わります。この変更により、学生は「企業単位」ではなく職種や仕事内容を基準に情報を探しやすくなり、具体的な仕事内容に関心を持つ学生を引きつけることが可能になると考えられます。
運用型広告(クリック課金型)の導入
新しいリクナビでは、Indeedの技術を活用した「運用型広告」機能を採用し、クリック課金型の料金体系が導入されました。これにより、学生が興味を持った情報をクリックしたときにのみ費用が発生します。費用対効果がより明確になり、予算管理がしやすくなることが予測されます。
AIを活用した自己理解サポート
新たに導入された「ガクチカAIアシスタント」では、学生が自身の経験を入力すると、AIが「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」の素案を生成します。これにより、学生は自己理解を深めて企業を探すため、よりマッチ度の高いエントリーが得られると考えられます。
レコメンドフィード機能の強化
学生の閲覧履歴や志向性に基づいて、個々に最適化された情報を提供する「レコメンドフィード」機能が強化されました。これにより、自社にマッチする学生に対して募集コース等の採用情報を自動的に提供できるようになります。
メリットとデメリット
メリット
- 採用の質向上:職種や仕事内容に特化した情報提供や、AIによるマッチングを重視した情報提供により、採用の効率が高まります。
- 費用対効果の向上:クリック課金型の導入で、実際に興味を持った学生にだけリーチする仕組みが整います。
- 早期接点の確保:全学年対象サービスの提供で、優秀な学生との早期接点を持つチャンスが拡大します。
- 効率的な情報提供:レコメンドフィード機能の強化で、学生と企業双方が効率的に情報をやり取りできます。
デメリット
- ターゲットの明確化:広範囲な学生層にアプローチできる一方で、自社のターゲットを明確にしなければ、効果が薄れてしまう可能性があります。
- コスト管理:クリック課金型の導入により、アクセスが集中すると想定以上に費用が掛かるリスクがあるため、あらかじめ上限を設定しておくなど、費用管理が重要です。
- 対応力の強化:学生が詳細な情報を求める傾向が強まるため、企業側もコース単位の情報を充実させる必要があります。
新しいリクナビの活用には、これらのメリットと注意点を踏まえた対応が求められます。これまでのナビサイトに慣れている採用担当者様にとっては、使いこなすまで時間がかかるものかもしれませんが、新たな採用の可能性を広げる機会になるともいえます。リクナビに関わらず媒体ごとの特性を把握し、有効的な活用を目指しましょう。