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【26卒に活きる!】 25年卒採用活動総括

【26卒に活きる!】 25年卒採用活動総括

2025年卒の新卒採用は、これまでにない激動の年となりました。少子高齢化による労働人口の減少に加え、コロナ禍後の労働市場回復など、社会情勢が大きく変化する中、企業の採用活動も変化し続けています。本記事では、25卒採用の最新情報をもとに、企業の採用活動や学生の就職活動の現状を総括します。

25卒の採用市場は、前年に引き続き「売り手市場」の高まりが見られました。特に2024年3月時点での内々定率は前年よりも大幅に上昇し、学生の内定保有社数も増えています。企業が優秀な人材を確保するため採用の「早期化」に踏み込む中で、複数の内定を得ることが学生にとって当たり前になりつつあるといえます。 
25卒採用市場の背景にある事象について探っていきましょう。 

日本の少子化問題が長期的に続いているため、特に中小企業では採用活動が困難になっています。新卒採用の対象となる学生数が減少している一方で、企業の採用ニーズは高まっており、少ない人材を多くの企業が取り合う状況です。特に、技術職やIT関連の職種では主に理系学生が不足しており、企業間の競争が激化しています。 

2. 大手企業と中小企業の採用格差

25卒採用においては、学生の大手志向の高まりが見受けられました。大手企業はブランド力や待遇面で学生にアピールできるため、比較的学生が集まりやすい傾向にあります。一方で、中小企業は採用活動の早期化や効率化を図るものの、大手企業に比べて苦戦するケースが増えています。学生が安定した大手企業を志望する傾向が強いため、中小企業にとっては独自の魅力や成長機会を打ち出すことが不可欠となっています。

3. 早期化とオンライン化が進む採用活動

25卒の採用活動では、3月時点での内々定保有社数が平均して2.3社となるなど、「早期化」がさらに進展しました。 
特に大手企業は、夏や秋に行われるインターンシップを積極的に展開し、そこで優秀な学生を早期に見極め、内々定を出すという動きが見られます。しかし、早期化が進むことで学生の就職活動が長期化し、精神的・体力的な負担になることが問題視されています。また企業側も長期間にわたって学生のつなぎ止めに工数をかけなければならないため、人手不足などの課題も見受けられます。 

4. インターンシップの重要性

早期化が進むに伴い、25卒学生のインターンシップ参加率は89.5%と過去最高数値を記録しました。学生にとって、インターンシップ経験が学生のキャリア形成や、業界・企業理解、また早期選考を有利に進めるために重要な役割を果たしていることがわかります。企業にとっては、インターンシップを通じて早期に学生との接点を持ち、良好な関係を築くことが内定に繋がりやすいとされています。特に、実務経験を通じて企業の雰囲気や仕事の魅力を伝えるインターンシップが好評です。 

25卒を含む近年の学生は、不安定な社会情勢の中で就職活動を進めています。そのような学生の企業選びのポイントとして、企業の安定性やワークライフバランス、そして企業の社会的責任(CSR)を重要視する傾向がみられています。 

1. 企業の安定性

不安定な社会を経験してきた学生は、給与水準の高さや、事業の安定性・将来性などを重要視する傾向にあり、その結果大企業を志望する学生が増えている側面もあります。社会人として安定して生活できるかが、今の学生の中で重要なポイントになっているのです。 

2. ワークライフバランス

コロナ渦を経験してきた学生は様々な「オンライン化」に適応しています。その結果テレワークやフレックスタイム制など、働き方の柔軟性を求める傾向も強く、働き方を変化させている企業も少なくありません。募集する職種によっては、企業側の柔軟な対応が採用成功の助けとなるかもしれません。

3. 企業の社会的責任(CSR)

持続可能な社会を目指す企業や、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業が学生から注目されています。企業のビジョンや社会貢献活動が採用活動において重要なポイントとなりつつあり、単に給与や福利厚生だけでなく、企業の価値観や社会的な役割が学生の企業選びの基準の1つとなっているのです。 

内定辞退の増加は、多くの企業にとって大きな課題となっています。優秀な学生が複数の内定を保有しているため、最終的に自社を選んでもらうためには、企業の魅力を効果的に伝える必要があります。具体的な対策としては、内定者懇親会や、社員を含めた座談会の開催等のフォローの強化が挙げられます。 

1. 内定者フォローの重要性

内定後も学生とのコミュニケーションを継続的に行い、企業との関係性を深めることで、他社への流出を防ぐことが可能です。特に、内定者懇親会や社員との座談会などを実施することで、企業理解や内定者同士のコミュニティ形成を促し、入社意欲を高める働きかけが有効だといえます。 

2. パーソナライズされたアプローチ

企業への入社意欲を上げるための取り組みとして、学生一人ひとりにパーソナライズされたアプローチが有効となっています。学生の志望度に合わせた選考ステップの案内や、内定出し後でも、個別でキャリア相談をするなど、学生のニーズに応える形で企業の魅力を訴求することで、内定辞退率の低減が期待されます。

2025年卒の採用活動は、売り手市場が続き、企業間の競争がさらに激化しています。少子化や早期化が進む中で、企業は採用活動を効率化しつつ、学生に対して魅力的な働き方や成長機会を提供することが求められています。データやトレンドを踏まえた戦略的なアプローチが、今後の採用成功の鍵となるでしょう。